menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

キーワード

第68回(相談サービスを活用する 「カフェ・ヴィタ」)

「社長の繁盛トレンド通信」

 ◆カフェ・ヴィタ◆ 


「相談サービスを活用する」


ダイエット、披露回復など目的別にブレンドしたタイプが7種類、マルチビタミンなど単品のボトルが4種。希望があれば、取り寄せも可能。今、一番の売れ筋は、非常用の「ヨウ素」(3800円)。万一の時には152錠を一気に飲むそうだ。

『カフェ・ヴィタ』が扱っているのは、全てアメリカのダグラスラボラトリー社の製品。主として医療用に使われているため、栄養素の含有量はケタ違い。


店内は白に統一。サプリメントがひきたつ店づくりを考えたらこうなった。

初回はカウンセリングシートに書き込んでもらう。周辺を気にせず相談しやすいというメリットもある。

まるで菓子のようなサプリメントの数々。

店舗自体を経営しているのは映画会社のテンダープロ。ガラス張りの洒落た店舗は人目をひく。夜6時以降は、平井氏とバーテンダーが交代してバータイムに。


今年の1月、銀座に風変わりカフェがオープンした。各種フルーツ酢や健康茶などドリンク類を頼むと、あたかもチョコレートやクッキーのような雰囲気でサプリメントがついてくる。この店の名前は『カフェ・ヴィタ』。サプリメントに関する「町の何でも相談所」を目指して誕生したという。相談に応じてくれるのは店長の平井陽子氏。れっきとした薬剤師だ。

同店はカウンター席のみ。ワンドリンクにつきサプリメントが一回分サービスされるので、サプリの初心者は、ドリンク類につけるサプリ選びから始まる。ダイエット、ストレス、美肌、疲労回復…。サプリは目的別に並んでいる。どれにしようか平井氏に相談しているうちに、サプリに対する関心が次第と高まってくる仕組みだ。すでに、平井氏とサプリ談義や健康談議に華を咲かせる常連客もできてきた。近所の薬局の薬剤師も常連客に加わった。薬との飲み合わせや、これまで飲んでいたサプリの成分について聞きに来たことがきっかけで常連になった人も多いそうだ。同店では、サプリメントの販売もしているので、ドリンクを頼まず買い物だけに来る人もいる。

『カフェ・ヴィタ』のコンセプトを考案した平井氏はもともとサプリ好き。大学卒業後は国立病院で働いていたが、たまたま自身の皮膚炎の跡が、病院で処方されたビタミン剤によって劇的に改善したため、サプリ好きに拍車がかかった。アメリカでは、保険制度の関係もあるが、予防医学や治療で積極的にサプリが使われている。医者しか処方できないサプリも沢山ある。このようなサプリの世界を、自分も究めてみたいものだとサプリへの取り組みが積極的なドラッグストアに転職したという。

ところで、サプリメントには、食事の補助として使うタイプと、短期間で効果を得ることを目的にした医療用のタイプがある。違いの一つとしては、栄養素の含有量だ。たとえば、マルチビタミンに含まれているビタミンB1の1日の摂取量は、商品によって1mm~100mmくらいの幅がある。1mmのものは、今日のサラダの代わりになっても、肌荒れの改善といった効果は期待できない。

平井氏が、実際にサプリの世界に飛び込むと、そこは広大な無法地帯だった。含有量が少ないのに、「美肌」「便秘解消」などを宣伝文句に大人気を博している商品は少なくなかった。若い客の中には、サプリと薬の区別がつかない人も珍しくなかった。「今すぐ病院に行きなさい」と説得することもしばしばだった。一方、販売員は美容部員など医療とは無縁の人ばかり。資格が不要のサプリのセクションなど希望する薬剤師は、まずいなかったからだ。このような状況が続けば、サプリのイメージは著しく悪化するかもしれない。そこで、サプリの正しい知識を得られる「相談所」というアイデアにいきついたわけだ。

サプリに対する理解や関心が高まるとともに、売上の中心は、ドリンク類からサプリに移行。五月からサークルKサンクスのオンラインショップKARUWAZA ONLINEで通販も開始。薬剤師ブランドの医療用サプリメントとして数店舗の保険薬局へ卸も行っており、売上も順調に伸びているという。

現在は、商品やサービスの多様化、高度化、専門化などが進展し、私たちは購入ひとつ、使い方ひとつでも苦労するようになってきた。サプリに限らず、「相談サービス」のチャンスは、そこら中にありそうだ。(カデナクリエイト/竹内三保子)

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

Caffe/bar Vita カフェ・ヴィタ
東京都中央区銀座6 -1 2 – 1 2
TEL:03-6255-4255
http://caffe-v.jp/

通販:サークルKサンクスKARUWAZA ONLINE


第67回(客が自分で料理をする居酒屋 清貧」)前のページ

第69回 本で「遊ぶ」を見せつけて、1万冊の魅力を倍増 「松丸本舗」)次のページ

関連記事

  1. 第79回 リアルと実店舗が補完し合い、顧客満足を高める「オーマイグラス」

  2. 第13回(不満の中にビジネス・シーズを見つける)「サロン・ド・サンク」

  3. 第78回 買い物の面白さをふくらませる「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」

最新の経営コラム

  1. 第2回 心理的安全性が生む経営成果:意思決定スピードと市場対応力を高める方法

  2. 第1回 成長を加速する組織の条件とは? 経営者が今すぐ確認すべき10の質問

  3. AIの答えに埋もれないあなたらしさ──思いを伝える文章術5つのステップ

ランキング

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 2025.04.04

    ピョートル・フェリクス・グジバチの『経営戦略の新常識』の連載がスタートしました!経営コラム「JMCAweb+」更新のお知らせ

  2. 2025.04.04

    【最新刊】平美都江氏「利益爆発の経営法則」音声講座(CD版・デジタル版)日本経済新聞4月4日朝刊 広告掲載のお知らせ

  3. 2025.04.01

    先月度 売れ筋人気ランキングの更新のお知らせ

  1. マネジメント

    第169回 百年体系
  2. 社員教育・営業

    第10講 急速に企業に活用されていく『チャットポッド』と『ボイスポッド』
  3. 社員教育・営業

    第59講 クレーム対応という仕事をやってるからには楽しむ!方法(2)
  4. 税務・会計

    第88号 BS「格言」 其の三十四
  5. マネジメント

    第49回 特別対談:アースホールディングス取締役 山下誠司氏(第1回/全3回)
keyboard_arrow_up
menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ