はじめに
第1章 社長の最大の役割
1.経営者の誇りと恥
社長は誇り高い存在でなければならない/会社の利益より高い車に乗って/何が社長の役割か
2.一地方小売店の社長の野望
単車に乗り換えて業績急伸/E建設の業種転換/自社ブランド開発で飛躍した食品問屋Y社/家電量販店P社の野望/Jスポーツ社長の夢と現実/「借金を返すだけ」の事業
3.零細企業の10年計画
総勢6人、12坪の工場で創業/自分の機械は自分で作れ/下請けからの脱皮/中小企業の世界進出/社長は「会社の方向づけ」をする人である/業種転換しないとつぶれる/同じものを倍に売れる世界がある/零細企業の10年計画/社長は長期のソロバンで考える
4.社長の仕事と専務の仕事
立派な社長と立派な専務/午前は社長の仕事、午後は専務の仕事を兼務
第2章 経営の本質
1.社長業は楽しく簡単でなければならない
事業経営を難しいものにしてはいけない/必ずやり切る/経営の定石/長期計画は経営を簡単にする
2.事業経営の本質は何か
経営の原点/総資本利益率5%以下の会社/利益は引き算でなく足し算で考える
3.付加価値経営のすすめ
付加価値とは/付加価値の配分/社長の役割意識こそキメ手/一個500円のミカン/経費は売上基準から付加価値基準へ
第3章 未来を計画するためにわが社の実態をつかむ
1.社長としてわが社の体質を把握する
過去の数字が語るもの/社長としてのバランスシート2つの押さえどころ/バランスシートの右側には何が書いてあるか/社長流のバランスシートにつくりかえる/バランスシートの左側には何が書いてあるか
2.高収益体質を築く視点
事業の収益性をチェックする/次の主力事業や商品を追加する/資本の効率をチェックする/借金して儲ける時代の終わり
3.不測の事態にも絶対につぶれない体質
安全性とはどういうことか/「流動」の意味/安全性をはかる3つの指標/社長は経営分析数値をどうとらえるべきか/長期計画の二大テーマ
4.モデル会社D精機のケーススタディ
D精機の実態/改善すべきポイントは何か
第4章 5年先までの経営ビジョンを設定する
1・5年後、10年後にどういう会社にしたいか 気楽に社長の夢を描いてみる/社長の野望を現状からチェックする/社長の考えを数字にする/社長の野望と役割意識
2.付加価値配分目標計画
社長の野望の青写真/社長の役割意識を明確にもつ/10の配分先/損益計算書に分配の発想があるか/付加価値配分目標計画の立て方
3.《ケーススタディ1》D精機の付加価値配分目標計画
利益が下がってきた原因/配分についての社長方針/5年後の無借金会社を目指して配分目標を設定する/5年間の付加価値配分目標計画をつくる
4.《ケーススタディ2》Jスポーツの付加価値配分目標計画
5年後に株価1500円以上の上場企業を目指す/J社長の五大経営ビジョン/5年後の付加価値配分目標計画を設定する/積極展開のための配分目標設定
第5章 5年先までの利益計画の立て方
1.長期利益計画を立てる
運営基本計画/5年後の売上を決める成長係数とは/付加価値率は年々下がるものと心得ておく/各科目の絶対額を算出する/何通りもつくってみる
2.《ケーススタディ1》D精機の運営基本計画
5年先までの売上高の決め方/5年先までの売上総利益の決め方
3・《ケーススタディ2》Jスポーツの運営基本計画
経常利益から売上総利益を出す/Jスポーツの粗利を検討する
4.運営基本計画の実証作業と手順
基本計画の実現性をチェックする/実証作業の具体的な手順/簡単な加減乗除の計算でできる仕組み
第6章 長期人件費計画の立て方
1.社員の幸福と人件費計画
社員に大きい顔のできる給料を払えるか/社長は社員の生活向上に責任をもつ人である/人件費係数を活用する/給料も人件費係数もバランスよく上げていく
2.経営コストと人件費計画
給料は上げるが人件費総額は下げる発想/具体的な目標は人をやる気にさせる/人を増やさないで仕事を増やす発想
3.定期昇給とベースアップ
賃上げの仕組み/定期昇給の意味/ベースアップの意味/定昇とベアを区別して運用していないと、いざというときに手が打てない/社長は1年先、3年先の賃上げを決める人である
4.人件費計画の実証作業
現在の人件費を分析する/要員についての実証/パート化を検討する/増員計画を固める/5年先までの給料を実証する/人件費係数を上げる/パートの人件費増を実証する/社長の社員に対するポリシーのかたまり/運営基本計画と実証結果の差を考える
第7章 長期設備計画の立て方
1.設備投資の定石と設備効率のチェック法
社長としての減価償却のとらえ方/減価償却率は毎年ほぼ一定する傾向にある/減価償却の定石/すぐお金を稼ぐ投資とそうでない投資/労働装備率と設備生産性
2.D精機の「固定資産投資及び償却計画」を実証する
敢えて定石を破る/投資枠を大きく2つに分ける/固定資産投資及び償却計画を実証する/設備生産性の枠を決める
3.Jスポーツの「固定資産投資及び償却計画」を実証する
1坪当たり粗利から必要設備を計算する/店舗増設に資金がいくらかかるか/過去の償却率から19%と設定する
第8章 必要資金をチェックする
1.社長としての運転資金計画の立て方
社長は資金繰りに4つの方針を出せ/売掛債権回収率の社長としての見方/棚卸在庫の適性度をチェックする/適正在庫付加価値の4カ月/手元現金はいくらあればよいか/回収率と支払率の差に注意する/D精機の5年先までの運転資金計画
2.運営基本計画を修正する
当初の計画とのズレを修正する/税金面からの実証作業/D精機の税金はどう変わるか
3.資金運用計画でお金の流れをチェックする
損益計算書とバランスシートをつなぐもの/D精機の資金運用計画/金融費計画/修正計算/修正計算のめどは百万単位
4.財務計画にまとめる
財務計画は目標バランスシート/社長の希望どおり無借金会社に/約束された望ましい未来を見る
第9章 長期経営計画を実践する
1.全社推進態勢のとり方
笛吹けど踊らず/社長の経営ビジョンなくして全社一丸態勢なし/各部門長への指示の出し方
2.発展への好循環サイクルをつくる
達成感が人材を育てる/社長は「好循環サイクル」をつくる人である/社長の能力の好循環サイクル/野望が先見に変わるとき
3.10年先までの繁栄を見つめて?優秀3社の事例
E建設が売上600億円を達成した中期3年計画/食品問屋Y社の大型スーパー進出への対応計画/店頭上場を目指す直前のP社中期3年計画
第10章 夢を実現させる社長の条件
1.世の中に対する役割を自覚せよ
2・世の中の流れを読むこと
3.イヤな情報こそ大切にせよ
4.矛盾したことを同時に頭に入れることを習慣づけよ
5.運を大切に、そして運は準備をしなければつかめない
6.社風こそ社長自らつくるもの
7.ギブ&テイクを常に心掛けよ
8.自分の失敗をさらけ出す勇気をもて
9.自分の考えを常に数値化する習慣をもて
10.即座に結論を出す習慣をつけよ
11.問題の本質をつかめ
12.信念より執念をもて
スター精密会長 佐藤肇氏特別寄稿文「創業者が残してくれたもの」