近藤宣之 (こんどうのぶゆき)日本レーザー 代表取締役会長
社員を幸せにしながら26期連続黒字を続ける、信念の経営者。
東証一部メーカー日本電子の最年少役員だった氏は、1994年、2億円近い債務超過で倒産寸前に陥った子会社・日本レーザーの再建を託され社長に就任。かつて、労働組合委員長として1000名規模の人員整理に直面。その後もアメリカ法人の再建を次々と成し遂げた手腕を買われての抜擢であったが、リストラを一切行なわず、再建の混乱に残ってくれた全社員の力を集結して2年で累損を一掃する。
「会社は社員のために、社員は会社の成長のために力を合わせて働く仕組みなくして、持続的発展はあり得ない。赤字になると人を切ってしのぐ経営は危機に弱い」と思い至った氏は、雇用の確保と社員の成長・活躍支援を経営の最重要課題として掲げ、独自の幸福経営モデルへと改革。2007年には、経営の自由度を高め、自らが信じる理念を貫くため、全社員の出資と個人保証6億円を負っての借入金で親会社からの独立を果たす。
この間、「70歳まで生涯雇用」「女性管理職3割」「年功型から同一労働同一賃金、実力主義型への移行」などをいち早く実現しながら、一貫して黒字を維持。同社を自己資本比率55%の実質無借金、10年以上離職率ほぼゼロの超ホワイト企業へと育て上げた。2018年より代表取締役会長。
1944年東京生まれ。慶應義塾大学工学部卒。第1回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」中小企業長官賞など、受賞歴多数。人を大切にする経営学会副会長。千葉商科大学大学院商学研究科特命教授。東京商工会議所一号議員。著書に『ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み』(ダイヤモンド社)ほか多数。