佐伯 勇 (さえきいさむ)近畿日本鉄道社長
二階建てつくりの電車、冷房車、車内電話、おしぼりサービスを他社に先駆けて実現。伊勢湾台風で名古屋線が切断されたとき、復旧の見込みただずとの報せに、狭軌の箇所を広軌にして直通運転を決意、早速実行したのは有名な話。戦後の中京地区経済の急躍進という時代の勢いにも恵まれたが、近鉄を日本一の私鉄に育て上げた功績は大きい。
近畿日本ツーリスト、都ホテル会長、日野自動車、朝日放送、関西電力、国際電信電話、日本航空、全日本空輸、ロイヤルホテル、ホテルプラザなどの役員を兼任。
大阪商工会議所会頭、経団連副会長、日商副会頭、文楽協会理事長などをはじめ、金融制度調査会、財政制度審議会委員、国土審議会特別委員、科学技術庁顧問その他、要職を務める。また、昭和51年、勲一等瑞宝章を授与される。
明治36年、愛媛県生まれ。東京帝国大学法学部卒。