角川春樹 (かどかわはるき)映画総合プロデューサー
1942年富山県生れ。國學院大在学中は拳闘部に所属してボクシングに熱中。大学3年の時、渋谷ハチ公前で全学連相手に大立ち回りを演じ、新聞沙汰になったこともある。64年、角川書店の跡取りと悟られぬよう母の旧姓で取次の栗田書店と創文社に入り、半年ずつ修業。かたわら新宿3丁目でスナック「キャッツアイ」を経営し、昼はサラリーマン、夜はバーテンという二重生活を送る。
65年角川書店入社。70年から映画『ある愛の詩』『いちご白書』の原作本を始めとして、洋画の原作やノベライゼーションを次々と刊行。フォーサイスを日本に紹介した。75年父・角川源義死去に伴い社長就任。76年映画製作を行う旧角川春樹事務所を設立。横溝正史のブームを仕掛け、80年代にかけていわゆる角川映画で一世を風靡。メディアミックス路線を敷いてエンターテイメント中心とした文庫戦略は、後に他社も追随し、名作や古典が中心だった文庫本の世界に変革をもたらす。93年逮捕に伴い社長退任。95年現角川春樹事務所設立。現在、特別顧問。出所直後から「男達の大和/YAMATO」の製作に乗り出す。制作費25億円、5億円で実物大の戦艦大和を作り、興行収入50億円を突破する大ヒット。度肝抜く戦略は、なお健在なり。