日本にいながら、中国ビジネスで儲ける法

　“中国人が欲しいモノ”を知り尽くした男が、３億人の富裕層と上手に商売を始める実践ノウハウを公開。富裕層の購買心理と効果的なアプローチ策、リピートを生む接客のツボ、中国向けネット通販と販促の実務、中国大陸への広告実践策…など、明日から中国ビジネスを始めるための具体方法を分かりやすく解説した注目の書。

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本の概要

ISBN: 机上版 978-4-89101-297-7

著者紹介

陳　海騰 (ちん　かいとう)百度　駐日首席代表

中国国内ユーザー数4億人。中国最大・世界3位のネットメディア企業。米国ナスダック上場。時価総額2兆円

目次・まえがき

本書の概要

　発行:2011年6月23日形態 A5判（150mm×210mm）本文384ページケース入

“中国人が欲しいモノ”を知り尽くした男が、３億人の富裕層と上手に商売を始める実践ノウハウを公開。富裕層の購買心理と効果的なアプローチ策、リピートを生む接客のツボ、中国向けネット通販と販促の実務、中国大陸への広告実践策…など、明日から中国ビジネスを始めるための具体方法を分かりやすく解説した注目の書。

本書を推薦します

「中国ビジネスで成功するための確かな入門書」

伊藤忠商事（株）　取締役会長　小林栄三氏

　事業の成否はパッション（情熱）だと思っていますが、私の良き友人の陳さんは、まさにこの情熱の人です。日本をこよなく愛し、日中ビジネスの橋渡し役として多くの企業に富をもたらしていますが、本書には、「悩める日本の企業経営者に、ぜひ中国ビジネスを始めて笑顔になってもらいたい」という思いがぎゅっと詰まっています。誰よりも中国を知っている、そして誰よりも熱い人が書いた、中国ビジネスで成功するための確かな入門書でしょう。

「失敗している暇の無い経営者にお薦めの書」

（株）タカラトミー　取締役副社長　佐藤　慶太氏

　日本は少子化で市場がどんどん縮小してきているが、お隣の中国に目を向ければ、広大無辺のマーケットが広がっており、ビジネスチャンスは無尽蔵だ。日本の商品・サービスへの関心は非常に高いが、売り方には工夫もいる。中国ビジネスの基本を押さえて実用に徹している本書は、失敗している暇の無い経営者にお薦めの一冊だ。

「グローバルビジネスに踏み出すための好適書」

SBIホールディングス（株）　代表取締役執行役員CEO　北尾吉孝氏

　時代は今、日本のあらゆる企業に挑戦を迫っています。小さな日本に閉じこもっていては未来はありません。全経営者にとって、グローバル感覚の涵養（かんよう）が必須の時代と言えましょう。そのためにはお隣の中国とのビジネスを始めるのが最も効果的だと思います。その具体方法を、誰にも分かりやすく解説してくれたのが本書です。第一歩を踏み出すのに好適の書だと思います。

1.日本復活のカギを握る中国ビジネス
　驚くべき中国マネーの力
　中国を意識すべき二つの大きな理由
　中国はアジアで一番のお金持ち
　すぐ隣に３億人もの富裕層がいる

2.日本人が知らない中国の真の実力
　５年前は超昔の中国
　まだまだ突き進む中国
　中国で稼く時代がやってきた
　これから中国人が欲しがる日本のモノ
　最も簡単な中国ビジネスから始めよう

第二章　中国を知る10のキーワード

1.　商売は相手を知ることから

2.日本と中国は似ているようで全然違う
　【キーワード１】同じ漢字でも意味が違う
　【キーワード２】悪事に対する価値観の違い
　【キーワード３】井戸を掘ってくれた人に感謝する
　【キーワード４】物事の進め方

3.中国に対する間違った思い込み
　【キーワード５】中国はサービスが悪い
　【キーワード６】中国人は安いものを買う
　【キーワード７】中国はバブル

4.中国、独特の感覚
　【キーワード８】多元性
　【キーワード９】柔軟性
　【キーワード10】強存強栄

第三章　「いながら中国ビジネス」の大基本

1.中国６００万人観光客パワーを狙え
　訪日インバウンド市場の実態と将来性
　リピートする中国人富裕層を狙え

2.中国人観光客ビジネスを始めるにあたって
　集客の前に絶対にすべきこと
　ガイジンアレルギーを無くそう
　言葉ができなくても商売はできる
　中国人観光客に対応する「三種のＩＴ神器」
　　 ①電話で使える同時通訳サービス
　　 ②深夜に自宅受講もできる中国語レッスン
　　 ③指差しで会話ができる魔法の板

3.事前に準備しておくべき３大設備
　一つ欠けても富裕層は泊まらない
　ビジネスエリートが必ず見るテレビ
　大金を持ち出せない中国人
　銀聯カードの加盟店になるには
　決済方法の裏技的な用意法

4.逆境、風評被害を越える方法
　逆境は必ず越えられる
　風評被害を越える知恵と対策
　心理作戦で安心感をつくっていく方法

第四章　インバウンド販促の実践法

1.インバウンド販促の基本
　中国人観光客に案内する３ステップ
　まずは店と店周りを強くする

2.ホームページでの集客の仕掛け方
　各販促は、ホームページと連動させる
　中国語サイトの用意の仕方
　検索結果はお金で買える
　ホームページ+ネット販促にいくら必要か
　売れ始めたらすべきこと
　中国人観光客向けのアピールの仕方
　日本のサイトを見てもらう工夫
　中国インターネット関連のまとめ

3.中国人観光客を迎える時の注意点
　中国人のお客さんを招く時の３大ポイント
　「違いを知る」
　「説明をする」
　「選べるようにする」
　無用なトラブルを避けるための工夫
　無意識で中国人を怒らせているケース

第五章　アウトバウンドの実務と繁盛法

1.中国アウトバウンドの基本
　初めてでもできるネット通販
　自社サイトでやるか、モールでやるか
　中国ネット通販ならではの特徴
　基本的に疑ってくる

2.モール出店で売る方法
　中国でモールと言えば「タオバオ」
　出店代行サービスでお手軽に開始
　二つのタオバオと違い
　まだまだある中国の狙い目モール

3.自社サイトでアウトバウンドを始める準備
　サイトづくりはインバウンドと一緒
　中国通販で気を使うべきところ
　発送方法と代金決済の方法
　ＩＣＰ経営許可証について

4.富裕層へのアプローチの基本と実務
　メディアを連動させよう
　お金持ちに直接情報を届けよう
　中国の有力新聞・雑誌への広告の出し方
　富裕層を狙えるエレベーター広告
　富裕層が集まる会員制クラブ
　年間10万人も夢ではない誘致策

資料編

日本に関する総合検索1～100位
通信販売Eコマース関連1～50位
旅行関連1～50位
日本の食べ物・料理関連1～50位
日本の不動産・住宅関連1～50位
2010年・震災前の日本商品に関する検索1～100位
中国人の検索の「今」を調べるには
中国語のフォント（書体）の扱いについて

まえがき

　本書は、これから「中国人富裕層に自社商品・サービスを売りたい、買ってもらいたい」と考える社長さんのために書いた、最もリスクが少なく、具体的に「日本にいながら、中国ビジネスで繁盛する」ための入門書です。

　ご存知のとおり、日本は人口減少時代に入って久しく、出口の見えないデフレと閉塞感で、消費者も企業もあまり元気がありません。そこに来て東日本大震災にみまわれ、いよいよ肩を落とされている経営者の方を多く見かけます。

　しかし、心配は無用です。私は長年、日中ビジネスを傍で見てきましたが、日本にとって今ほど大きなチャンスは無いと確信しています。事実、私の助言を信じて中国富裕層に通販を始めたり、観光客ビジネスを始められた会社は、「助かった、売上が減った分以上に取り戻している」「ウチの新たな活路」「３年後、５年後には日本以上の売上になりそう」…と、社内も明るく活気づいています。

　理由は簡単で、日本の停滞とは裏腹に、中国では本物の高成長が続いており、中国富裕層をお客さんにできれば大繁盛は夢ではないからです。

　中国には、日本の年収換算で１億円クラスの人がすでに５千万人もいます。しかも２桁の高度経済成長により、お金持ちは年々増加しており、都会の若手ニューリッチ層といえる「小資」なども含めると、富裕層と呼べる対象は３億人以上にもなります。日本の全人口の２倍以上という途方もない数です。

　しかも、彼らのお金の使いっぷりは、いまや世界各地の観光地やブランド物の売れ行き、不動産価格…などを揺るがすほどで、日本でも家電製品を大量購入する様子などが盛んに新聞やテレビなどで報じられたことは記憶に新しいことと思います。これらの中国人消費力を取り込まない手はありません。そして考えてみてください。この人たちが、貴方の会社の商品やサービスを買いたがっているとしたら…。

　私が駐日首席代表を務める百度は、インターネットの検索エンジンの会社です。まだまだ日本では知名度が低いかもしれませんが、中国では検索シェアの80パーセント以上を握っていて、「中国人の考えること」、「中国人の欲しがるモノ」…を、最も知っている会社です。そこから言えることは、「中国人富裕層は、日本の商品・サービスを買いたがっている」ということです。

　非常に残念なことは、せっかく相手が欲しがっているのに、日本側の腰が重いということ。いくら相手に気があっても、受け皿がなければ売れません。観光にも勝手にやってくる訳ではありませんし、お隣の台湾や韓国はじめ、世界の観光地との競争もあります。商売するためには準備が必要なのです。

　もう一つ問題があります。中国や中国ビジネスに対する偏見です。仕事柄、講演する機会も多いのですが、「中国人には騙されないか？」といった質問が未だに多いのです。これには私も閉口しているのですが、例えば、いま中国では創業10年で年商１千億円といった急成長企業がたくさんあります。弊社も時価総額で４兆円、米国ナスダックに上場して従業員１万人以上です。真っ当でないビジネスで、ここまで成長できるでしょうか…。

　一つ言えることは、成長する企業、取引先、顧客…の間には、国籍によらず「互いにメリットがあるか」というシンプルな思想があるということです。日本の経営者も、そろそろ「排他的心理」や「島国的発想」から脱して、地球村の住民として、もっと視野を広げて商売すべき時代がやってきています。それが事業で活路を見出す道です。

　震災で萎縮しているとジリ貧になります。日本復興のために、世界に目を向けて、まず日本にいながら中国ビジネスを開始することです。幸い中国は高成長が続いており、富裕層ほど日本の良い商品、高度なサービスを求めています。放射能は恐くても、震災に対して、「大変でしょう」と理解も示しています。

　確かに中国ビジネスを始めるには少なからず実務ノウハウが必要です。しかし、明日からでも中国ビジネスを始められるよう、できるだけ分かりやすくその具体方法を示しました。また、中国・中国人を理解するポイント、中国ビジネスを成功させる10箇条、さらに風評被害を越えていく考え方と方法も併せて記しました。

　震災後のフォローの風は確実に吹き始めています。震災復興支援として、中国の温首相は、大幅に減少した中国からの訪日観光客の呼び戻しに向けて、観光行政や企業関係者約１００人規模の視察団を派遣すると表明しましたし、これまで規制していた中国人向け海外旅行業務のライセンスを、初めて日本の旅行会社に付与することでも合意しました。これまで以上に日中の結びつきが強くなり、観光客が増えて、モノが行き交うようになることは間違いありません。

　私は日本が好きで日本に憧れ、20年前に来日して以来、日中の架け橋の仕事をして日本で家庭も築きました。経営者の仕事の傍ら、訪日観光客を増やす「観光大使」にも任命され、微力ながら全国各地をまわり、日本への観光客を増やすための活動も続けています。これらは、日本への恩返しの気持ちを込めてのものです。

　いま日本は大変な時期です。日本の経営者の方々に、一刻も早く中国ビジネスを始めていただきたい一心で、私の持てる実務ノウハウを本書に詰め込みました。どうか、本書をお読みいただき、一人でも多くの方が実際にご商売を始められ、笑顔になられることを念じてやみません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１１年５月吉日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Baidu, Inc. 百度　駐日首席代表　陳海騰