細尾真生 (ほそおまさお)細尾 社長
元禄時代創業の西陣織の老舗名門企業。呉服業界は好調で2兆円市場だったのが、その後、減少の一途をたどり、現在では2800億円。同業者や職人の数も減少し、西陣織の存続に危機感を抱き、20数工程に分業した技術を全て自社に取り込み、完結させる生産体制を構築する。2005年にパリ国際見本市に出展。商談ゼロという苦しい出発であったが「ハイエンド層」へターゲットを絞り、織物のフェラーリをつくることを決意。ニューヨークの展示会に出品した作品が、著名なピーター・マリノ氏の目に留まり、世界への扉を開く。現在はディオール、シャネル、ルイ・ヴィトンなど、数々のブランドとコラボを展開し、西陣織の新領域を開拓し続けている。
社長の細尾氏は1953年京都市生まれ。同志社大学卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社し、イタリア・ミラノのアパレル製造卸売会社へ出向。82年に株式会社細尾に入社。2000年より代表取締役社長。05年から西陣織広幅織物の海外展開に着手。12年より、伝統企業が一丸となり、質の高いジャパンクオリティで「京都」から「世界」に向け発信する「GO ON」プロジェクトを推進。13年、京都経済同友会副代表幹事就任。
〔細尾〕
1688年創業。売上高 14億円。