渡辺良機 (わたなべよしき)東海バネ工業 代表取締役社長
特殊用途向けの金属ばねを製造。高い技術力と開発力、フルオーダーメイド生産体制による、高品質・高難度の多品種微量生産を強みとし東京スカイツリーやフェラーリも採用する。1934年に、現社長・渡辺良機氏の遠縁にあたる南谷三男氏が大阪で創業。「多品種少量生産」ならぬ「多品種超微量生産」を特徴とし、平均受注個数は1個から5個。単価の安い規格品の大量生産は一切行わず、顧客からの受注生産を基本とし、価格は同社の「言い値」で販売。納期も可能な納期を伝えて、了解してくれた顧客からの注文のみに応じている。40年前から顧客情報をデータベース化。顧客の注文履歴や図面、見積金額が即座に出せ、無理な単価や納期で受注するのを防ぎ、顧客もストレスなく注文できる業界最強の製造履歴管理システムを築いている。
社長の渡辺氏は1945年大阪府生まれ。近畿大学経済学部卒。5年ほど実家の鉄工所で働いた後、73年10月東海バネ工業に入社し、83年10月社長就任。2008年度に収益力の高さが評価され、一橋大学大学院から「ポーター賞」を贈られる。