新日本製鐵社長

武田　豊 (たけだゆたか)

大正3年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、日本製鉄へ入社。昭和25年、企業再建整備法で富士製鉄に。40年取締役、42年常務、45年専務。同年、八幡製鉄と合併、新日本製鐵に。52年副社長、56年社長就任。少年のころ、弱い体を鍛えるため始めた弓を続けて、全日本弓道連盟副会長もつとめる。
「努力家だがガリ勉型ではない。プリンスといわれながらも隠忍自重、時を待っていた。これから花が咲く」とは50年来の友人の武田評。
大脳生理学の権威としても知られ、武田氏いわく「人間の心には集団本能がある。リーダーとは、この集団本能をひとつの方向に導ける人である。また、人間の脳の特徴は高度な思考活動を司る前頭葉が大きい」と、得意の大脳生理学を踏まえ、「リーダーに必要な条件は、活力、意志力、責任感、包容力、知識力、説得力の6つだ」と明快に分析する。