イービストレード　社長

寺井良治 (てらいりょうじ)

飲食店の「おまけ」などで配られるＤＶＤやＣＤ、倒産寸前の会社の環境特許技術、シベリア向け中古車等、大手商社が見向きもしない“超ニッチな商材”を扱い急成長。従業員30名の、小さくても日本一元気な総合商社。2000年、大手商社の日商岩井（現双日）の社内ベンチャーとして、ＮＴＴレゾナントや三菱東京ＵＦＪ銀行などの出資も受けて立ち上がった同社は、当初からの業績不振。設立から2年目、会社再建のために日商岩井が送り込んだのが現社長の寺井氏である。08年経営危機に陥り双日に生まれ変わった親会社が、ＩＴ系商社・ミツイワに同社を売却。寺井氏が双日を退職しプロパー社長となるのと時期を合わせたかように、ようやく同社も成長軌道に乗り始める。同社躍進の原動力は、誰も手がけないビジネスを切り開き、知恵を絞って販路を拡大する」といった総合商社の原点を模索し実践し続けてきたこと。お客様ニーズに応じて、それぞれの部門からチームを組成しプロジェクトを進める柔軟な組織体制、大手には真似できない即断即決のスピード経営など、新事業創造支援企業として他に類をみないユニークなビジネスモデルを築き上げ、売上を2年で5倍に伸ばし増収増益。
社長の寺井氏は、1962年静岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、日商岩井に入社。日商岩井タイ会社などを経て、2001年子会社であったイービストレードの再建に専務取締役として出向。02年社長就任。この大不況下で売上を2年で5倍に伸ばし、その手腕は「寺井マジック」と評される。著書「日本一元気な３０人の総合商社」（amazonへ）。

〔イービストレード〕
2000年設立。売上84億円、売上純利益6億円、従業員33名、資本金4億4735万円。本社：東京都千代田区